トップ 佐賀県白石町川津地区縫の池について
  地下水の汲み上げ等により、長年枯渇していた佐賀県白石町川津地区の「縫の池」が再び湧水し、脚光を浴びてる?「縫の池」について、縫の池湧水会石橋弘明会長書の「縫いの池湧水についての報告と今後のお願い(平成14年9月)」を元に要約したものを記載しました。
  1. 縫の池枯渇の歴史
  2. 縫の池と弁財天
  3. 縫の池の湧水
  4. 縫の池湧水会(保存会)の発足
  5. NPO(特定非営利活動法人)技術フォーラムとの連携
  6. 今後の活動予定
   縫の池枯渇の歴史
  白石町川津のほぼ中央に、面積約1万平方メートルの池(縫の池)があり、その中に集落民が信仰を寄せている通称「弁じゃさん(弁財天)」と呼ばれる神社があります。
  滾々と湧き出る清水は、杵島山麓の一帯に見られる美しい光景の一つでした。その中でも最も大きいといわれた川津の湧泉「縫の池」は、昭和33年に遂に干し上がり、その後長年美しい池の景観は見られなくなってしまいました。
  それまでは、野菜の洗い場であり、ハヤやシジミが採れ、夏の暑い日には子供達の泳ぎ場でありました。また、下流一帯の灌漑用水としても貴重な存在であり、景観も境内に茂る老松が澄んだ池の水に映る素晴らしいものでありました。
  湧水枯渇の原因は、穀倉地帯白石平野における灌漑用水の不足であり、溜め池貯水量の不足を補うため、応急対策として考えられたのが地下水利用のための深井戸であり、昭和30年代の前半、灌漑用の深井戸の数が急速に増え、白石平野3町で150基程の揚水場が出来ました。
  かくして、白石町は県内屈指の米産地となりました。しかし、一方ではあまりに急激な地下水の汲み上げにより地下水が不足し、自然湧泉は枯れ、問題の地盤沈下を生む結果となりました。
   縫の池と弁財天
  現在「縫の池」入り口に建っている天明6年(1786)建立の鳥居には「弁財天」とありますが、以前の鳥居(安永6年−1777)には「厳島神社」でした。(私がゼンリン地図で調べてみたところ、現在でも「厳島神社」と記載されていました。)「厳島神社」とは、広島県厳島神社と同系統のものであり、祭神は市杵嶋姫命で、海辺の住民独自の祭神であります。
  今までは海岸と縁遠いと思われる須古地区に、海の守り神が祀られていることは、古代白石と海との関係が深かったことが窺われる。
   縫の池の湧水
  灌漑用、飲料水用の地下水汲み上げがなくなった平成13年4月頃から、神社境内周辺の数カ所から清水が出始めました。
  神社右側の「清水池」にも湧き水が溜まり始め、透き通った冷たい水であり、集落の人たちから「清水池」の整備と湧き水の汲みやすい施設を作ろうという声が挙がり、直ちにそれは実行されました。同時に湧水の飲料水水質基準への適合検査も行われました。
  検査の結果は「飲料水に適合」であり、また、整備された「清水池」には誰が持ち込んだか鯉や鮒が数匹気持ちよさそうに泳いでいます。
  「縫の池」に飲み水に使える湧き水が出たことは新聞や口伝え等で広まり、集落民はもちろん、町内外から湧水汲みの人は絶えません。
   縫の池湧水会(保存会)の発足
  40年ぶりに復活した縫いの池の湧水は、集落の人たちに以前の思い出を復活させることになり、その懐かしさと自然に戻った喜びは大きいと思います。
  今、小さい子供は清水に遊び、大人は昔の思い出に縫の池に足を運び、自然とみんなが集まる雰囲気が高まってきております。
ふるさと再生・集落の活性化・親しいつきあい・自然との共存の為にも、縫の池の湧水を守っていこうという思いで平成14年7月21日に「縫の池湧水会」が発足致しました。
  会は、区長を会長として歴代の区長や集落評議員等が役員となり、会員は集落の小さい子供から年寄りまで60世帯の総勢260名です。
  会の仕事は湧水を保存するため、縫の池整備など事業の推進・対外関係者との交渉やPR活動など、集落民・町民の意見を聞き、定期的な会議を持ちながらより良い「ふるさと」をつくるための活動が行われています。
   NPO(特定非営利活動法人)技術フォーラムとの連携       
  現在、縫の池湧水保存のためNPOからの協力依頼があり、NPOにより国土交通省・佐賀県・白石町への保存の働きかけ、テレビ・新聞などへの紹介依頼など積極的に活動が行われています。
  NPOとは佐賀県の技術士会がつくっている一種のボランティア組織で、会長が佐賀大学の三浦教授で、県内の村おこしや自然再生に向かった活動を地元の人と協力して活動を行われています。
  大学教授や県庁職員・コンサルタントや民間企業の社員など技術的に優れた人の集まりでもあり、国・県・市町村への要望の際は協力が大きいと思われますので、今後もNPOの協力を受けながら保存会の活動を行っていきたいと思います。
  ● 今後の活動予定
縫の池湧水保存のため下記事業や広報活動を行いたいと思います。
  @山水や家庭排水を縫の池に入れないよう
              配水施設整備のための関係者への要望
  A神社周辺、特に裏手へ水が廻るように浚渫を行う
  B公園整備への陳情
  C縫の池への案内看板の設置
  D水汲み者に便利な備品の提供(柄杓・一輪車等)
  E佐賀大学の「川」フォーラム(2002/9/14)にて縫の池紹介
  Fテレビ・新聞など報道機関への紹介